心理占星術で使われる10天体の意味
心理占星術では10個の天体を使って鑑定する。
使用される天体は太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星である。
各天体は人間の意識を10分割したもの
心理占星術で使われる10天体は、それぞれ人間の意識を10個に分けたものである。
意識とは「物事を上手に進めようと考える意識」とか「人と調和的な関係を築こうとする意識」、「自分の欲望を満たそうとする意識」などを指す。
同一人物でも、他人には厳しいのに家族には甘く優しい人がいる。
その人は、金星が山羊座で月が蟹座なのかもしれない。
他人との関係を作る時に働く意識は金星が支配し、その金星は山羊座である。
山羊座は自立することを求める星座なので、金星と山羊座がセットになった時、他者との関係を作る時(金星の意識)は相手も自分も自立した人間であることが望ましい(山羊座のカラー)となる。
ごく親しい間柄の人物と接する時は月が顔を出す。そして蟹座は世話好きの星座である。
だから月と蟹座がセットになると、ごく親しい相手にはとても世話焼きで優しい人となる。
各天体が司る意識の説明
太陽:他の9天体をまとめようとする意識。実際の太陽と同じくその強力な引力で他の9天体を統一する。
太陽が働いていないと、他の天体はバラバラに動き統制がとれていない人格となって現れる。
社会的な顔、わかりやすく言うとよそ行きの顔は太陽である。
月:ごく親しい相手にしか見せない表情や感情、そして自分しか知らない本当の欲望を司る。
例:月が天秤座の人は、みんなに好かれて人気者でいたい欲望を持つ。また爽やかで人当たりが良い月天秤座も、ごく親しい相手には不快な表情も見せる。
水星:思考する時、そして刺激を知覚する時に働く意識。
例:水星が射手座の人は物事を考えるとき、他で学んだ全く無関係な知識同士を統合して活用できないかと考える癖を持つ。または射手の矢のように思考がどんどん遠大に飛び想像力が広がる。
金星:人に愛されようとする意識、または自分を癒やす時に働く意識。女性の場合は女らしく振る舞う時にも働く。
他人に限らず家族や友達も含めて、人間関係を円滑にしようとするときに働く。
例:金星が獅子座の人は、堂々として頼りがいのある人物や陽気で楽しい人物を演じることで、相手を不安な気持ちや暗い気持ちにさせないことで、人間関係を円滑にしようとする。またそのような気分にさせてくれるエンターテイメントに触れることが自分自身にも癒やしになる。
火星:自分の存在をアピールするときに働く意識。自主性を求められた時に働く。男性の場合は男らしさを見せようとする時にも働く
例:火星が山羊座の人は、物事の遂行能力や計画を立てる力、管理能力が高いことを示して自己アピールをする。
太陽、月、水星、金星、火星は個人天体とも呼ぶ
個人の性格に最も影響を与えるこの5天体を総称して個人天体と呼ぶ。
木星:幸運を呼ぶ星。自分が幸福感や達成感を求める時に働く意識。
例:木星が魚座の人は、人と感情を共有出来たときに幸福感を感じる。またその体験をするために、人に共感的であろうとする。
土星:乗りこえるべき課題を司る。この課題は乗りこえると安定した力となって生涯の財産になる。
例:土星が天秤座の人は、自他の平等な関係の作り方を学ぶ必要がある。この学びを進めるために、自分より相手を優先してしまう心性が働きやすくなる。
木星と土星は社会天体とも呼ぶ
木星は1年間、土星は2.5年間同じ星座に滞在する。
そのため同級生や近しい年齢の人は同じ木星、土星を持つことになる。
近しい年齢だと社交がしやすいのはこの為。
トランスサタニアン
天王星、海王星、冥王星の3天体を総称してこう呼ばれる。
この3天体は今までのような個人的な意識よりも、もっと大きな世代的な意識を司る。
最近の若者は~とか、昭和生まれは~といった文句は、主にこの天体世代の特徴を表している。
各天体が12星座を一週するのにかかる時間はおおよそ下記である。
12星座が一回りする年数
10個の天体はそれぞれの公転周期の違いから、12星座を1週するのにかかる時間も違う。
天体の名前 | 12星座を1週するのにかかる年数 |
---|---|
太陽 | 1年 |
月 | 27日 |
水星 | 1年 |
金星 | 1年 |
火星 | 2.1年 |
木星 | 11.9年 |
土星 | 29.5年 |
天王星 | 84.1年 |
海王星 | 164.8年 |
冥王星 | 248.5年 |
このようにトランスサタニアンは一つの星座に数年~数十年滞在するため、同じ星座に生まれた世代は、世代的な共通意識をもっている。
鑑定の際にこのトランスサタニアンを解析する時は、太陽、月、水星、金星、火星の個人天体にどのような世代的な働きかけをするかを読む。